この事例の依頼主
70代 男性
相談前の状況
末期ガンで入院中の方から、ぜひ遺言書を書きたいというご依頼がありました。公証役場の先生と協力の上、数日の間に、公正証書遺言を作成しました。依頼者の方は、遺言作成から数日後に、容態が急変し、亡くなりました。
解決への流れ
医師から病状は安定しているものの、保証は出来かねるため急いだ方が良いと伝えられておりましたが、ご本人の意思ははっきりしていらしたため、直ちに公証人を手配するとともに、短い時間の中で出来る限り依頼者ご本人の希望を反映させる内容の遺言書を作成しました。遺言書の作成には、登記簿の確認、戸籍による相続人の確認など必要な情報がありましたが、迅速に対応いたしました。また,ご本人は生前に起こった出来事で、どうしても相続に反映させたい事項があり,そのことも丁寧に聞き取った上、付言事項として遺言書に反映させることが出来ました。結果として、短い時間の中で、依頼者ご本人に十分に納得していただける遺言書が完成したと思います。「遺言書が出来るまでは死ねない」と仰っていた依頼者が、安心したかのように、数日後に亡くなったとご連絡いただき、大変驚き、悲しい思いが致しましたとともに、最後の人生のお仕事を悔いなくなさるお手伝いが出来たのではないかと実感し、印象に残っております。また,相続人の相続税申告手続も,滞りなく済ませることができました。
とにかく時間がない中で、法律上絶対に欠陥のない、それでいて出来る限りご本人のご意思を反映させた内容とすることが必要でした。また、残される相続人の方の今後の生活に配慮しつつ、争いの起こらないように、不動産をどのように相続させるかについて苦慮いたしました。さらに、依頼者は会社を経営していたため、相続人の相続税申告手続は難しいものでしたが、事務所には税理士が所属しているため、滞りなく済ませることができました。ご本人のお声を聞くことはもう出来かねますが、ご家族からは、迅速に対応していただいて、大変感謝しているとのお言葉を頂いております。