この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
相談者の医師は勤務先の病院と雇用契約を結んでいましたが、雇用契約書に書かれている勤務時間を超えてサービス残業があることや、院長と考え方は合わないため、先日、退職届を提出しました。しかし、病院側からは「退職を認めない。退職するなら損害賠償請求をする。」と言われています。
解決への流れ
相談者から事情を詳細に聴き取り、雇用契約書も確認しましたが、病院側の主張(退職を認めないことや損害賠償請求をすること)には合理的理由がなかったので、病院に対して、2週間後に退職すること、引継ぎをした後の10日間は残っていた有給休暇を充てて出勤しないこと、当月分の給与は全額請求することを記載した内容証明郵便を送付しました。同内容証明郵便を受け取った病院は、相談者の退職を受け入れ、給与も全額支払われて、解決に至りました。
労働者には退職の自由があり、会社の意思にかかわりなく2週間後には退職することができます。また、労働者には有給休暇を取得する権利があり、退職する際に有給休暇を消化することができ、会社はこれを禁止することはできません。相談者は医師でしたが、病院やクリニックで勤務する医師にも労働法による法的保護があります。ご自身の働きやすい環境を守ることは患者への医療サービス向上にもつながると思いますので、病院との関係で疑問がありましたら、弁護士にご相談ください。