この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
建物明け渡しで、70代の女性が所有する土地建物に元嫁と孫が住んでいて明け渡しを求めた件があります。元嫁と孫の居住は、夫が居住していた名残で住み続けており使用貸借なのですが、孫が未成年ということもあり、使用貸借の終了時期が問題になりました。訴訟を提起した後、立退料付の明け渡しで和解しました。依頼者は養護施設に入る費用を捻出するために早期に土地建物を売却する必要がありました。明け渡しと併行して残置物の処理や売却の交渉もする必要がありましたが、停滞することなく進みました。
解決への流れ
明け渡し請求の当事者が祖母と孫の関係にあり、祖母には孫を扶養する義務があるので、一旦孫の住居を奪う形になる明け渡しは、親族間でない明け渡し事件よりも条件が厳しくなる覚悟が必要でした。しかし、祖母の方も養護施設に入る費用を捻出するために土地建物を売却する必要性が高く、孫からも祖母を扶養する義務があることも主張し、祖母が養護施設に入るための金策を妨害しないというという形での扶養義務があることを納得してもらい早期に円満解決できました。
上記に述べたとおり、祖母と孫との間の相互の扶養義務の解釈に解決のポイントがあったと思います。立退料については、即金では払えなかったため、土地建物の売買契約を先に行いその手付金を支払いにあてざるをえませんでしたが、懇意にしている不動産業者の尽力により、売買契約や決済の時期を立ち退きにあわせて柔軟に調整してもらうことにより円滑に処理できました。